龍王物語
 世界で初めて無味無臭コンセプトの基に発売されて、多くの大鯉ファンから絶大なる人気を誇る鯉エサ『龍王』について、龍王のQ&A、使用法の色々、開発に至るまでの歴史・秘話等を、順次掲載してまいります。
1.開発物語
2.ボイリーの考察
3.鯉餌の条件と龍王
4.龍王と仕掛け
5.Q&A
1.開発物語

世界で初めて無味無臭コンセプトで開発された大鯉エサ龍王は、平成9年に大鯉研究所より販売され、それまでの鯉エサに革命を起こしました。

それまでの市販のエサは、良く釣れるという目的を主眼としたエサばかりで、何れのエサも匂いや味に強烈な集魚材の混入されたものばかりでした。

それまでのエサは、鯉が好む成分を多く混ぜる事により、鯉が良く釣れるという発想に基づいていましたが、自然の中では鯉以外の多種多様な生物が生息し、鯉だけを強力に寄せる成分というものは無いということに無頓着でした。

その理由は、実際の自然の中での釣りをメインに考えられたエサでは無く、養殖場や実験室の中における鯉の好む成分や栄養素のみを主眼として作成されたエサであったからです。釣人が実際のフィールドに於ける釣りをするための道具として考えられたものでは無かったのでした。

私も、最初のうちは、そうした市販のエサを色々使用していましたが、ジャミに悩まされる事が多く、中々狙った効果が得られず、段々自作のエサを使用するようになりました。

私は、20数年前に全国的な釣りクラブに入れて頂いて以来、自動的に釣りエサメーカーA社のモニターとして数々の鯉エサを使用する機会に恵まれました。しかし、やはりどのエサも大鯉に特化したものが無く、より大鯉狙いの自作餌へと変わるようになったのです。

その中で、鯉の身体構造や摂餌生態と実際の釣りを通して、鯉の感覚は人間より遥かに強く、人間に対するのと同じような考え方で強烈な匂いや味をエサに付けなくても、充分に鯉はエサを感じることが出来ると判ってきたのです。

 そこで、無味無臭に近い成分を主体に、ジャミの食べることの出来ない大粒のエサをメインに、食べやすい粗引き、中引き、水に溶けやすく拡散性のある顆粒や微粉をバランス良く配合して、ジャミに強く、急速にバラケ、しかも遠投しやすい、釣りの道具として使いやすいエサが徐々に完成したのです。

 これは、単なる経験だけに基づいたものではなく、科学理論と自然における実際の経験が融合して出来たものなのです。

 それまでのエサは、釣りを第一の目的として考えられたものではなく、単なる栄養素や成分に囚われたものが殆どで、釣りの道具として確たる目的を持ったものは皆無だったと云えるでしょう。

 道具としてエサに必要なものは、丸秘の成分でも鯉の大好物でもありません。あいまいな不確かなものではなく、如何に釣人の狙うように使用できるかという使い易さにあります。釣りエサに求められるものは、鯉を釣るための道具としての必要な機能なのです。

 それは、別に何の栄養も無い木や石やプラスチックでも構わないのです。

実際、ルアーやフライ等の疑似餌では、それらが用いられています。

 道具として如何にコントロールしやすいかが、エサにとっても最も重要なことなのです。

龍王は、釣エサに必要な条件を充分に満たした道具として、余分なものを一切排除して作られています。

龍王は租練りだけで最もオールマイティに大鯉を釣るエサとして作られていますが、尚且つその無味無臭コンセプトにより、自由に匂いや味付けを行うことができ、ローテーション釣法のベースとして無限のバリエーションを持っています。

 現在も未だ多くの釣人が、匂いや味付けの濃いエサで無いと釣れないと錯覚しているようです。また、多くのメーカーもまだその迷信に囚われているようです。更に、欧米でも未だその考え方が中心のようです。ボイリーを使えば、匂いや味が強烈なほど、大鯉が釣れるような考え方をしています。

しかし、新しく去年に発売された『龍王ボイリー粉』は、龍王と同じく無味無臭コンセプトの基に開発されました。龍王がそれまでの粉末エサに革命を起こしたように、ボイリーの世界にも革命を起こそうとしています。

2.ボイリー考察